
PROFILE
はじめまして。山口葵と申します。
今まで「共感覚」という名前を知らずに幼少期から、それが当たり前の感覚だと思って生きてきて、
最近になってその言葉を聞くようになり「これなのかもしれない」と感じ始めました。
共感覚と一言で言っても、人によって本当にさまざまで、同じ感覚を持っていたとしても近いものはあれど、感じているものが完全に一致している人というものはなかなか存在しないようです。
「変わっている」や「特別」ともてはやされることもある共感覚ですが、不思議ちゃんと片づけられたり気持ち悪がられることもあり、いいことばかりではありません。
その感覚自体も私はうざったく感じることが多く、生きづらいなあと思うことのほうが多かったのです。
例えば数字すべてに性別や色、感情がついているため数字の羅列をみるだけでも人込みの中にいるように感じる、悲しい気持ちになればおどろおどろしい色に覆われてしまうなど、必要以上に感情の二日酔いになってしまう。
情報量が日々多く、脳みそが疲れてしまったと感じることがあり寝込んでしまうことも日常的です。
そんな中、共感覚について深く知る機会があり、この見えているカラフルな世界は、自分だけのものなのかと知ることができました。
共感覚による生きづらさを抱えている人もいれば、それを強みにし、仕事に活かしている人の話などを聴き、自分の共感覚と向き合いたいと考えるようになりました。
感じることを恐れず、また時にはコントロールをうまくすることで、自分のこの感覚と向き合いながら、自分らしさを出していけないものか。
そこで、自分に見えている感情の色やテクスチャを
「共感覚アート」とし、描いてみることにしました。
このアートではたとえ私に見えている色が見えなくても見た人が共感や、何かを感じてくれることが多いです。
人を見て私が感じた感情を絵にしたところ、とても感動していただけたことや、悲しい時に描いた絵を「美しい」と言ってくださる方がいます。
自分に見えた一つの感情から生まれる絵が、人の心に同じ形で、また時には違う感情を生み出すことを私はとても興味深いと感じます。
「自分にしか観えないのならば形にして観てもらおう」
それが私のアートに対しての想いであり、挑戦です。
色々な方の手に取って、何かを感じてもらえたら幸いです。



共感覚とは
SYNESTHESIA
共感覚(きょうかんかく、シナスタジア、英: synesthesia, 羅: synæsthesia)は、ある1つの刺激に対して、通常の感覚だけでなく 異なる種類の感覚も自動的に生じる知覚現象をいう。
例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、
音に色を感じたり、味や匂いに、色や形を感じたりする。
複数の共感覚を持つ人もいれば、1種類しか持たない人もいる。
共感覚には多様なタイプがあり、これまでに150種類以上の共感覚が確認されている。
共感覚を持つ人の割合については、昔は10万人に1人などと言われていたが,最新の研究では23人に1人というものもある。
※Wikipediaより引用
Synesthesia is when you hear music, but you see shapes. Or you hear a word or a name and instantly see a color.

共感覚アート™
SYNESTHESIA ART
「共感覚アート™」は、共感覚当事者であるアーティスト山口葵が、頭の中に浮かぶ音や感情の色、光のゆらぎをキャンバスに映し出す独自の表現です。
私にとって絵を描くことは、目に見えない感覚や心の色彩を、他の誰かと分かち合うための言語のようなものです。
音が鮮やかな色の粒になって舞う瞬間
喜びがやわらかな光の輪で包む感覚
優しい声が淡い水彩となって広がる
これらをそのまま描くことで、感覚を持たない人にも、
「色で感じる世界」を体験してもらえると信じています。
このアートが目指すものは、ただ絵を飾って終わるだけではなく、共感覚を知ってもらうこと。そして自分自身の感覚や感情を大切にするきっかけになること。
誰かの世界と自分の世界の見え方の違いに、そっと寄り添うことができたら。
そんな願いを込めて一枚ずつ、手で描き上げています。

